真夏に忘却されつつある戦争記憶
私は還暦が近づいていますが、子供の頃から若き日にかけては、7~8月になると、かつて日本が経験した戦争に関するテレビドキュメントが多数制作され、多くの日本人の間で、かの戦争記憶が共有され、「戦争について考える」というムードが日本社会に蔓延していたように思えます。しかし、現在は、テレビそのものの影響力が低下し、若い世代の情報源は、YouTube、SNS、配信サービスなどに分散してきているため、「8月になると日本中が戦争について考える」という一体感は薄れてきているように思えます。
日本では、太平洋戦争の終戦は、8月15日のポツダム宣言受諾の時にある、としていますが、実際には、ソビエト連邦が8月18日に千島列島から侵攻し、21日まで樋口季一郎司令官が率いる旧日本軍が善戦し、ソビエト軍の北海道上陸を食い止めた、という経緯があったりしており、実際の降伏文書への署名は9月2日なので、アメリカではこの日を終戦日(勝戦記念日)としたりしています。終戦への解釈は他、かの大戦に参戦した国々により多様にありますが、この時期は81年前の日本が日本歴史上、最も苦境にあった時期であった、と言えます。
8月13日には、ロシアのプーチン大統領が北方領土を初訪問しました。かつて同国のメドヴェージェフ大統領も訪問したことはありますが、当時の実質的な権力者はプーチン氏であったので、今回の訪問はまた特別な意味を持つことになります。
現在進行しているあらゆる事物、事象が、確実に過去の歴史に連なっていることは、非常に意義深い事である、と思います。戦争記憶を呼び起こすあり方が、改めて問われている時代となりました。
