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虫との付き合いが濃い日本文化

[2026.06.16]

春から梅雨、初夏にかけて、虫たちがかまびすしく蠢動し始め、庭にも様々な形状をした虫たちが元気よく這っている姿を見かけるようになりました。梅雨が晴れると本格的な夏が訪れ、夏の風物詩とも言えるセミたちの鳴き声が、多様多種ののど自慢を披露しながら美しくシンフォニーを奏でる季節が到来します。

私は、個人的にSNS上で多くの中国人と語り合うことが趣味であり、毎日、日中文化について語り合ったりする友人も何人かいます。彼らと付き合う中で、改めて日本文化とは何か、との問いが突き付けられることが多く、自らが無意識的に享受し、行動化している生活上の習慣一つ一つが、外国の文化・習慣に邂逅した時、改めて「当たり前ではない」と思い知らされることが多々あります。

角田忠信という医師が、「日本人の脳」という書作の中で、他の言語と比べて、「日本語の音韻は自然の音に近い」といった趣旨のことを指摘しています。日本語には、擬音語が非常に多いと言われ、古来、日本人は自然の音を一つ一つしっかりと聞き取っていたことが伺えます。中国人の友人からも「日本語の音は非常にやさしく聞こえる」といった発言を聞いたことは過去1回ぽっきりではありません。また虫の音を鑑賞する、という日本人の文化的習慣も、世界に類がない、との事であり、日本人以外の世界の人々の多くは、虫の音を「うるさい雑音」と聞き取る、という文化習慣の差異には、改めて驚きを禁じえませんでした。

日本の古典でも、「堤中納言物語」の中に、「虫愛ずる姫君」という物語が収録されており、これが、宮崎駿監督のジブリアニメ「風の谷のナウシカ」のストーリの土台となった、と言われます。ヨーロッパにおいても、近代になると「ファール昆虫記」という著作が出版され、昆虫に対する科学的な研究は累積されていくも、仏教を土台とする日本文化の山川草木に対する関係性とは、アプローチの在り方は、かなり違うことは確認できます。日本人は古来、少なくとも一部の虫、昆虫たちとは明確な境界線を引かずに、自らの生活圏の中で共生したことが判明します。

とはいえ、今、やぶ蚊が家屋内を飛び交う季節も到来しつつあります。蚊取り線香や蚊帳といった武器、防御器具で相対さなければならない虫たちもいますね。しかし、「害虫」、「益虫」とは、人間側のレッテルです。話は変わりますが、数年前に「コオロギ食」が少しはやったことがありましたが、現在下火になっています。イナゴや蜂の子は、かつては日本人の重要な蛋白源でした。日本人と虫との付き合いは、これからどのように変容していくのでしょうか。

 

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